7月です。暑いです。
今年は梅雨がないといってもいいくらい短かったですね。とはいえ雨が大量に降ったところもあり、結局いつもの梅雨のように水の害があったりして何とも言えない気持ちです。皆さんはご無事だったでしょうか。嫌な事件もありコロナも第7波とか…、夏の空とはうらはらにもう何かずっと黒い薄物に覆われているような感じで、何につけすっきりしない感じです。
でも気持ちを変えて! 特別歌会の申し込み締切りは過ぎましたが、気持や都合の変わった方はいつでもご連絡下さい。融通はつきます。私は詠草のまとめ等担当していて、これからそろそろ準備に入るところです。皆さんのご投稿お待ちしております。
長く厳しい夏になりそうですが、どうぞ皆さんくれぐれも暑さに気を付けて乗り切ってくださいね。(竹内敬子)
「青南」2015年8月号より
歪みたるままに鴨居にかかる額漸く直す気になりて立つ 清水 香
紐つけし眼鏡は妻の母のもの出でくればこれもわが使ふべし 伊藤 安治
湧くごとく山々は萌え膨らめり良きときに来て今日友に会ふ 逸見喜久雄
いぢらしと見し小判草道端に日に日に熟れて金にかがやく 今福 和子
ドローンと心は化して故里の野山の上を今宵も飛行す 山本 吉徳
傘たたみ小さきビルのエレベーター見知らぬ人と乗り合はせたり 戸田 紀子
朝霧の晴れゆく谷の寂かにて君丹念に眼鏡拭きゐる 高木 正
泰山木の大き葉蔭の下に居て今日はとことん眠くてならぬ 竹内 敬子
ふかひれを浮べてひとつコップなり友ありかかる一夜あるなり 堀江 厚一
カート押す吾に優しき人多し心ゆたけく夕日をながむ 金井 容子
あの世から頑張るわれをみてるだらうか父の遺品も少なくなりぬ 森元 輝彦
萌え出でし雨後の蕨のやはらかし羊歯を掻き分け摘みてゆくなり 丹 亮子
小学生に『ビルマの竪琴』読み聞かせ共に泣きたり昼の休みに 南 美智子
水替へを怠り死なせし金魚二匹桜の根方に深く埋めたり 花田 順子
ひもすがら青一色の空と海体の芯まで青く染まれり 加瀬 雅子
園児らの声のひびきてこの朝小さき頭を陽が照らしたり 西本すみ代
床の間に鯉の掛軸かけ変へて具足を飾り曾孫を待ちぬ 大本 栄子
あっと言う間に8月になってしまいました。
私は特別歌会に行くことは、叶いませんが、集うことの喜びを、共に味わいたいと思っています。
逸見さんの歌にあるように…
良きときに来て今日友に会ふ
ですね。準備、ご苦労様です。ご自愛くださいね。